Lana Del Rey(アメリカ)『Ultraviolence』 Deluxe Edition 前作とは少し違う、より大人びた世界観

けだるい歌い方を含めて、 個人的にも思い出深い前作『Born To Die』 から引き継がれたLana Del Reyっぽさは確かにそこにあるのだが、それと同時に『Born To Die』の時に存在した要素が無くなっているのも事実。前の感じを期待すると「あれ?」と思う方は多いだろうが、より大人っぽく落ち着いた味わいもあるアルバムとなっている。 アルバムトレーラーがかっこいいのでどうぞ。 前作の雰囲気に一番近いのはアルバムからのリードシングルともなっている「West Coast」か。 「Shades of Cool」は、もっとよくこのアルバム全体に漂う雰囲気に近いか。 アルバム中私が一番好きなのは「Pretty When You Cry」かもしれない。 好きなアメリカのバンドで8mm というのがあるのだけれども、そういう感じで好きかも。 逆に言えば『Born To Die』に存在したよりモダンなスパイスが存在しないがために、「なんかこういう感じの曲歌ってるインディーの人けっこういるよね」とも思えなくもない。ただ「こういう感じの曲」が好きな人には見逃せないアルバムだろう。 『Ultraviolence』収録曲の「 Old Money 」は、1968年の映画『ロミオとジュリエット』(オリビア・ハッセーが出てるやつ)のテーマソングとしても有名で、主題歌「What Is a Youth」(劇中ではGlen Westonが歌う)や、Andy Williams(アメリカ)「A Time for Us」としても有名な曲に似ている。この映画により、作曲のNino Rota(イタリア)はゴールデングローブ賞作曲賞を受賞している。 アルバム発売前からLana Del Reyが「アルバムには「Black Beauty」という曲が入る」と話していたその「Black Beauty」という曲はDeluxe Editionのボーナス曲扱いとなっている。 今から前作『Born To Die』を購入される方は、「Blue Velvet」のカバーも収録されている『Born To Die - Paradise Edition』をどうぞ。 また、Del Reyの「National Anthem...