Lana Del Rey (アメリカ) - 『Born to Die』
あれは先月のこと。フィンランドからスウェーデンに行くフェリーだったろうか。フェリーのベッドに恋人と横になって、寝る前にテレビを見た。その時点で私たちが別れることは、ふたりともわかっていた。最後の二人旅。
テレビではLana Del Reyが「Video Games」を歌っていた。その気だるげな歌い方が、彼女のとの楽しかった日々を懐古的に思い出させ心に残った。そして彼女のもとを去ってからもお気に入りの歌手となったのだった。
まあ、他人さまにとってはくだらない個人的な話(実話だが)は置いておいて、「Video Games」を聴いてもらおうか。
これがフェリーで見たもの。イギリスの「Later with Jools」という番組でのライブ版だ。ハリポタのDaniel RadcliffeがDel Reyを紹介しているSNL版もこちらで見ることができる他、ミュージックビデオも存在する。シングルはドイツとUKインディーチャートで1位、オーストリア、ベルギー(Flanders)、スイスのチャートで2位、フランス、オランダで3位を記録した。
続いて「Born to Die」のビデオをどうぞ。
この2曲でガツンとヤラれてしまった私はもちろんアルバムを購入した。デラックス版を。ところがどうだろう、Amazonのレビュー
Amazonレビューにも書かれている通りDel Reyは自らを「gangsta Nancy Sinatra」(出典:英ガーディアン)と形容している。ギャングスタ?そう「ギャングスタ」だ。そして、その彼女が「ギャングスタ」と形容しているであろう要素は上記2曲にはあまり現れていない。というわけで「Ntional Anthem」を聴いてみようか。
これまでの曲の、どこか大人びた気だるい感じとは打って変わった、よりポップで可愛らしさを含んだ歌い方。前述の2曲で彼女のアルバムを買った人にはこの歌い方は予想外、一部の人には期待はずれともなるだろう。若さに溢れ、刹那的な生き様を送る女性の姿が描かれている。
こちらは「Off to the Races」。
「タールのように黒い私の心を隅々まで知っている」悪い男を熱烈に愛し、彼のために着飾る女の話。
彼女の曲の歌詞は、「悪い男を好きになってしまった女」的なものを歌ったものが多い。その危うさ、危ない魅力を、雰囲気たっぷりに歌っているのが彼女の歌の本当の魅力だろう。
その一方で、例えば「Carmen」の歌詞なんかは批評家によれば「Lindsay LohanやParis Hiltonなどのセレブなライフスタイルの代償」を描き、若者に警鐘を鳴らすたものになっているし
「Carmen」
「This is What Makes Us Girls」では16歳の女の子たちが悪友たちと楽しみ、その因果として泣き、別れていく様が描写されている。
アルバム『Born to Die』はチャートでも好成績をおさめており、オーストラリア、オーストリア、ベルギー(Wallonia)フランス、ドイツ、アイルランド、スコットランド、スイス、UKのアルバムチャートで1位。ベルギー(Flanders)、オランダ、ニュージーランド、ノルウェー、ポルトガル、USビルボード200、で2位。カナダ、クロアチア、デンマークで3位を記録している。
iTunesからも試聴/購入可能だ:
*今から購入される方は、『Born to Die』の内容に新曲8曲を加えた『Paradise』エディションをどうぞ*
レビューを読まれた方が、そこからどう感じられるかは知らないが、私からは大いにおすすめできるアルバムだ。捨て曲なしといってもいいだろう。
私の入手したCDパッケージ版には、「ギャングスタ」らしく、未成年者にはふさわしくない内容が含まれる作品に貼られる「Parental Advisory」のステッカーが貼られている。また、デラックス版とされるものには「Without You」、「Lolita」、「Lucky One」の3曲が追加されている。
また、すべての曲が気に入ったわけではないという方は、『Video Games』シングルを購入するのも手だろう。
こちらはiTunesリンク:
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