Anna Abreu(フィンランド) まとめ



皆様あけましておめでとうございます。2012年最初にご紹介するのは、Wikipedia日本語ページが存在することがまずびっくりなフィンランドの歌手、Anna Abreu。

1990年にポルトガル人の父とフィンランド人の母の間に生まれたAbreau。幼少期、音楽以外にはレゲトンダンスやヴァイオリンが趣味だったそうだ。マルチリンガルな環境で育った彼女はフィンランド語とポルトガル語の他にも英語、スペイン語を流暢に、そしてスウェーデン語は程々に話せるそうだ。

彼女を一躍有名にしたのはTVシリーズ「アイドル」のフィンランド版、「Idols」のシーズン3だ。シーズン3は2006年、彼女が実に16歳の時だった。シーズン中は途中最下位に転落するものの持ち直し、最終結果は2位。1位となったAri Koivunenは57%の票を獲得している。


その後Sony BMG Finlandと契約。ラテン風なデビューシングル「End of Love」を2007年7月にリリース。この曲はシングルチャート8位に食い込んでいる。同年8月リリースのファーストアルバム『Anna Abreu』は発売初週でプラチナム獲得、3万枚を売り上げ、チャートでも1位。フィンランドのアルバムセールス最大級の初週売れ行きとなった。アルバムからのセカンドシングル「Ivory Tower」はチャート5位を獲得、サードシングルは「Are You Ready」。アルバムは2011年の段階で8万6000枚を売り上げ、ダブルプラチナム、そしてフィンランド史上最も売れたアルバム40位にランクイン(Amazonで売られている後述のサードアルバム(米輸入盤)の記載によれば、この売上はフィンランド史上39位だとのこと)。フィンランドの「Idols」出身アーティストの中では一番売れたものとなった。2008年のMTV EuropeMusic AwardsではBest Finnish Actにノミネートされていた。


「Ivory Tower」ミュージックビデオはGoldfrapp(イングランド)の「Strict Machine」(iTunesリンク)から毒気を抜いたような、こんな感じだ:





AmazonではEU版の『Anna Abreu』を扱っているようだ:


iTunesでは残念なことにファーストアルバムしか扱っていないものの、こちらのリンクから視聴/購入可能となっている。





Abreuはデビューアルバムプロモツアーをこなした後に、セカンドアルバムにとりかかる。プロデューサーをPatric Sarin*とRauli Eskolin**とし、ポップとR&B色の強かったデビューアルバムからダンス系へと移行。2008年7月にはシングル「Vinegar」がリリースされた。このシングルはAbreu初のナンバーワンシングルになったほか、2008年最も売れたシングルの一つともなったとのことだ。セカンドシングル「Silent Depair」(YouTubeリンク)は10月にリリースされ、セカンドアルバム『Now』も同月リリースとなった。こちらもチャートで1位を記録、プラチナム獲得、5万枚以上を売り上げ、フィンランドで2008年最も売れたアルバムとなった。「Something About U」と「Come Undone」もアルバムからのシングルとしてリリースされている。

*Patric Sarin:後述のAntti Tuiskuを含めIdols出身者に曲を提供している他、フィンランド国外のアーティスト、Darin(スウェーデン)や、Margaret Berger(ノルウェー)などにも曲を提供。また、面白い事にKendi(フィンランド)の「Connected」(本ブログ、この投稿で紹介している)と「Heartbeat of the City」では「Vince Jackson」なる偽名でコーラスパートを歌っている。

**Rauli Eskolin:90年代から音楽業界に関わっており、DiscoやFour Tops、CMX、Hello Helsinki!(どれもフィンランドのバンド)を始め、日本でも有名なApocalypticaなどにも曲提供をしている。現在Idols新シーズンのCMに使われているRonyaの「Annoying」(フィンランドのアーティストだが曲は英語で歌われている)も彼の手によるものだ。


全アルバムのミュージックビデオのオリジナリティーのなさを認識したのか、顔だけじゃ男か女かわからないような半裸のイケメンが上着を脱ぐという内容になってしまった(?)「Vinegar」のミュージックビデオはこちら:





『Now』UK版はAmazonから購入可能だ。




2008年にAbreuは、アルバムの売上やツアー、興行などで14万5000ユーロ(2012年1月4日時点で約1445万円)を稼ぎだしたと言われており、これはフィンランドのシンガーの中でも稼ぎ頭といっていい金額だそうだ。

2009年8月には、来たるサードアルバムからの元気の出るシングル「Music Everywhere」(YouTubeビデオ。途中彼女が手に持っているのはおフランスのDJ、David Guettaのミュージックビデオ群でお馴染みのSony Ericssonのスマフォか?形と下部の3ボタンバックライトはソレっぽいが、メーカー名部分が短すぎる気も。)がリリース。シングルは初登場4位だったが、チャリティーイベント「Children In Need」フィンランド版でのテレビパフォーマンス後2位まで上昇している。

同年9月、同じくIdols出身のAntti Tuiskuと両者の新アルバムの宣伝のため共に「Pop Royalty Tour」を行うと発表。チケットが数分で売り切れたため、追加日程を組まなければならなかったとか。

10月にはサードアルバム『Just a Pretty Face?』をリリース。発売24時間で2万3000枚を売り上げゴールド獲得となった。フィンランドアルバムチャートでは2位となり、後にプラチナム獲得、10月リリースにもかかわらず2009年フィンランドで発売されたアルバムの売り上げランキング6位となっている。

Sony BMGは「Vinegar」のリミックスを11月22日にUK向けにリリース。UKクラブチャートで7位にまで上り詰めた。

前述の米輸入盤『Just a Pretty Face?』:





2010年4月にはフィンランド版「X Factor」(フィンランドではファーストシーズンとなる)で新曲「Slam」を披露。同年8月にはFacebook上の公式ページで4作目のアルバム『Rush』に取掛っていることを発表。ファンに誰とデュエットして欲しいか問いかけている。アルバムからのファーストシングル「Hysteria」は2011年1月にリリースされており、今でも耳にする機会は多い。アルバム『Rush』は2011年3月のリリースと同時にチャートで1位を記録。セカンドシングルは「Worst Part Is Over」で4月リリース、スウェーデン系フィンランド人のラッパーRedrama*をfeatし、Idolsシーズン5で披露。その後8月にはシングル「Stereo」をリリースしている。

*Redrama:ヒッポホップグループAlien Alliesメンバー。フィンランドでの英語ラップチャンピオンシップで2001年優勝、2005年にはフィンランドのグラミー賞ことEmmaでベストヒップホップアルバム賞を受賞している。


弄ばれる男を描いた「Hysteria」のミュージックビデオはこんな感じだ:


Anna Abreu - Hysteria from Sony Music on Vimeo.


アメリカのテレビドラマ「Pushing Daisies」シーズン2で見たような光景に『天使にラブソングを』を足し、最後は百合モノになってしまう「Stereo」ミュージックビデオはこちら:





こちらも米からの輸入盤となるが『Rush』





2012年1月7日放送分のYLE TV2「Lauantai Projekti」に出演したAbreu、子供たちからインタビューを受けていた。

Q:自分の年よりも年をとっていたらと思ったことはある?
A:昔はそう思っていたけど、今は自分にぴったりの年齢だと思っているわ。誕生日プレゼントをもらうのは嬉しいけど、これ以上歳をとりたくはないわ。」

Q:自分の好きなことの中で一番変なものはなに?
A:掃除している時の掃除機の匂いが好きよ。

だそうだ。

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主にスウェーデンのダンスポップ系のとか、海外アーティストの歌ってる日本語の歌とか、ごちゃごちゃ