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Lana Del Rey(アメリカ)『Ultraviolence』 Deluxe Edition 前作とは少し違う、より大人びた世界観

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けだるい歌い方を含めて、 個人的にも思い出深い前作『Born To Die』 から引き継がれたLana Del Reyっぽさは確かにそこにあるのだが、それと同時に『Born To Die』の時に存在した要素が無くなっているのも事実。前の感じを期待すると「あれ?」と思う方は多いだろうが、より大人っぽく落ち着いた味わいもあるアルバムとなっている。 アルバムトレーラーがかっこいいのでどうぞ。 前作の雰囲気に一番近いのはアルバムからのリードシングルともなっている「West Coast」か。 「Shades of Cool」は、もっとよくこのアルバム全体に漂う雰囲気に近いか。 アルバム中私が一番好きなのは「Pretty When You Cry」かもしれない。 好きなアメリカのバンドで8mm というのがあるのだけれども、そういう感じで好きかも。 逆に言えば『Born To Die』に存在したよりモダンなスパイスが存在しないがために、「なんかこういう感じの曲歌ってるインディーの人けっこういるよね」とも思えなくもない。ただ「こういう感じの曲」が好きな人には見逃せないアルバムだろう。 『Ultraviolence』収録曲の「 Old Money 」は、1968年の映画『ロミオとジュリエット』(オリビア・ハッセーが出てるやつ)のテーマソングとしても有名で、主題歌「What Is a Youth」(劇中ではGlen Westonが歌う)や、Andy Williams(アメリカ)「A Time for Us」としても有名な曲に似ている。この映画により、作曲のNino Rota(イタリア)はゴールデングローブ賞作曲賞を受賞している。 アルバム発売前からLana Del Reyが「アルバムには「Black Beauty」という曲が入る」と話していたその「Black Beauty」という曲はDeluxe Editionのボーナス曲扱いとなっている。 今から前作『Born To Die』を購入される方は、「Blue Velvet」のカバーも収録されている『Born To Die - Paradise Edition』をどうぞ。 また、Del Reyの「National Anthem

国際色豊かなメンバーによるエレクトロ・ロックバンド FABL(デンマーク)

今回紹介するFABLはデンマーク第2の都市であるオーフス生まれのバンド。FABLは英語でいうところのFable、寓話という意味(バンド名がそこから来ているかどうかはしらないけど)。 ボーカルのスリランカ系デンマーク人のJonas Kristensen、シンセ担当のデンマーク人Jeppe Schmidt、そしてドラム担当で、15歳になるまで金沢に住んでいたという日本とデンマークのハーフのAki Shiraishi Bech。この国際色豊かなバックグラウンドを持つ3人によるバンドだ。 メンバーたちそれぞれの音楽的背景/インスピレーションも幅広く、Jonasは黒人音楽・エレクトロニカ・サイケデリック、Jeppeはエレクトロニカ・ポップ・ダンス、Akiはロック・エレクトロニカ・メタル、と様々。そのためAkiによれば、「曲作りはかなり大変」だそうだが、「そのおかげでバンドの『ジャンル』ではなく『スタイル』として、新しいものを作っている」という思いがあるそうだ。ただ、3人とも共通してエレクトロニカを挙げているので、それが求心力となっているのは間違いないようで、「エレクトロニカとポップ・ロックを織り交ぜた新しい音楽を目指している」とのこと。 そんな彼らが今5月にリリースした「As the fame calls」は、デンマークエレクトロシーンの重鎮VETO*のフロントマンTroels Abrahamsenがプロデュースしているそうだ。早速そのミュージックビデオを見てみよう。 *VETOの曲「 You Are A Knife 」はアメリカのテレビ番組『NCIS 〜ネイビー犯罪捜査班』シーズン4内のエピソードで使用されていたりもする。 (この曲が気に入った方は、もしかしたら Manboy(フィンランド)の「How it Hurts」 とかも好きかもしれない。) 「As the fame calls」はiTunesからも視聴購入可能。 Akiがデンマークに引っ越したのは7年前。音楽や音響に興味があった彼は、音楽学校Den Rytmiske højskoleで音響を専攻。そこでJeppeと出会う。JeppとJonasの二人は、音楽が盛んなスキーヴェという街で育っており、Aki曰く「音楽的センスがよく、音楽に対してアブノーマルで挑戦的」だったそう。そん

Robyn(スウェーデン)とRöyksopp(ノルウェー)のコラボミニアルバム『Do It Again』

「Röyksopp feat Robynとも、Robynプロデュースby Röyksoppとも違う、全く新しい『コラボレーション』」とか。今年2014年、このミニアルバムとともに「『Do It Again』ツアー」をするスウェーデンのRobynと、ノルウェーのRöyksopp。どちらも私のお気に入りだ。彼らは Röyksoppのアルバム『Junior』 でも「The Girl and the Robot」でコラボしており、当ブログでも取り上げたし、Robynの 『Body Talk Pt.1』 と 『Body Talk』 に収録の「None of Dem」はRöyksoppをfeatしている曲だ。 「 Robynって誰だ?フィンランドの男性アーティスト? 」なんて思った方は、それはロビン違いなので当ブログの「 Robyn(スウェーデン)まとめ 」や「 最高にかっこいいRobyn(スウェーデン)「Call Your Girlfriend」 」をお読みあれ。 見ていたら車酔いに似た気分になってきた「Sayit」はこちら: 上のYouTubeビデオのタイトルに「H&M Life」とあるのは、スウェーデンの低価格アパレルブランドH&Mのポップカルチャーとかそういうのの情報を載せているサイト「H&M Life」で特別先行公開されたから。 日本の「H&M Life」でもちゃんと公開されている他、日本語でインタビューも読める ので、そちらもどうぞ。 アルバムタイトルともなっている「Do It Again」のBBC Radio1で放送されたバージョンが、 Do It Again公式サイト からリンクされていたのでそれもこちらに貼っておこう: ミニアルバム『Do It Again』は、5曲収録している。ツアーはスペインから始まり、あとは北米と他のヨーロッパ地域となっている。すでにUK Indieアルバム・チャートとノルウェーのアルバム・チャートでは3位を記録しているようだ。 日本では、デジタルダウンロード版は5月26日発売だが、Amazon.co.jpでは、カバーも価格も発売日も違う2枚の輸入盤CDが掲載されており、どちらも6月に入ってからの発売となっている。 こっちは6月10日発売となっているもの: