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2014年11月8日土曜日

ブロムカンプ新作『チャッピー』の予告編に出てくるあの人達は…南アフリカのレイヴ・ラッパーのDie Antwoordたち!

『第9地区』、『エリジウム』などの監督として知られるニール・ブロムカンプ監督と、両ブロムカンプ作品や『マレフィセント』で知られるシャールト・コプリーが主演ロボット役、そして南アフリカのラップ・レイブグループDie Antwoordの二人が本人役(!)で登場する映画だ。他にも『スラムドッグ・ミリオネア』のデーヴ・パテールやヒュー・ジャックマン、シガニー・ウィーバーなどの有名ドコロもでるようだ。





これまで『第9地区』、『エリジウム』、両SF作品を通して経済格差や人種差別問題を描いているブロムカンプ監督。今回は人工知能で自我を得たロボットを主人公に、『第9地区』と同じく監督の出身国である南アフリカで撮影されている。どんな作品になるのか非常に楽しみだ。映画についてはKotaku Japanでも多少書かれているのでそちらも参照あれ。

この予告編を見る限り準主役的な役回りのDie Antwoordメンバーたちのことももっと知っていた方が作品を楽しめるだろう。なので今回はDie Antwoordについて軽くご紹介。



Die Antwoordはそれまでにもラッパーとして活躍していたリードラッパーNinja(Watkin Tudor Jones)と、もう一人のラッパーYolandi Vi$$er(Yolandi Visser)そして DJ Hi-Tek。彼らのラップはアフリカーンス語コサ語、英語などを交えて歌われる。この内少なくともNinjaとYolandiが映画『チャッピー』に出演するようだ。

Die Antwoordの音楽/ヴィジュアルスタイルは「Zef・カルチャー」という南アフリカの白人労働者階級のスタイルを取り入れたものだそう。実際にミュージックビデオを見ていただくとその言わんとするところがわかりやすいだろう。

2012年リリースのセカンド・アルバム『Ten$ion』から「Baby's On Fire」を見てみよう。





『Ten$ion』はUSビルボードのHeatseekersアルバムランキングで2位を記録している。









2009年に『$O$』をオンラインで無料リリースしていたが、後にInterscope Recordsと契約し、そちらから再リリース。

こちらは『$0$』から「Enter the Ninja」。メロディーは以前当ブログでもちらっと紹介したJohn Murphy作曲の「Strobe (Adagio in D Minor)」みたいだ。













こちらは2014年発売されたばかりのサード・アルバム『Donker Mag』からリードシングルの「Cookie Thumper」。





「Pitbul Terrier」。最初にピットブルテリアに噛み殺される人がアメリカのラッパーPitbullっぽくて面白い。










(abcxyz)

2014年7月17日木曜日

James Blake(イングランド) 『Overgrown』メランコリックでロマンチックなメロディーのトリップ・ホップ/ポスト・ダブステップ

イングランドのJames Blakeによるセカンド・アルバム『Overgrown』。

私は音楽のジャンルに疎いが、どうやらトリップ・ホップというジャンルが好きなようだ。だけれども、Tricky(イングランド)のヴォーカルにはロマンチックさが足りないし、Portishead(イングランド)も陰鬱すぎ、Airlock(ベルギー)はわざとらしすぎるスクラッチ音が癪に障る。そんな風に感じていた私のツボにピッタリはまったのがこの『Overgrown』。

アルバム収録曲の出だしを初めて聴いた時から虜になったし、何度聴いても聴き止めることができないほど、このアルバムに泥酔してしまった。

アルバムタイトル曲「Overgrown」歌声にザラついたエフェクトをかけていたりするところも、後述の「Take A Fall For Me」のスタイルも、Trickyを思いおこさせるのだけれども、陰鬱さが強調されたTrickyのヴォーカルやそのともすれば雑多な印象も受けるメロディーとは違い、James Blakeのものは雰囲気たっぷりでロマンチック。





「Take A Fall For Me」には、ウータン・クランでの活動のほか、『ゴースト・ドッグ』、『キル・ビル』などの映画音楽や『アフロサムライ』でも音楽を担当していることでも有名なラッパーRZA(アメリカ)がfeatされている。RZAの歌声と、曲のメロディー、ところどころ入る女性の(様に加工された)声、それらが全体的にTricky的な雰囲気を醸し出してはいるが、James Blakeの歌声が救いとなっている。
(ちなみにTrickyの楽曲の女性ヴォーカルはMartina Topley Bird。ソロでも活動している。)





こちらは「Retrograde」のミュージックビデオ。





アルバム『Orvergrown』はオーストラリアダンスアルバム・チャートや、USダンス/エレクトロニックアルバム・チャートで1位、デンマークアルバム・チャートで2位となったほか、2013年のマーキュリー賞アルバム・オブ・ザ・イヤーも受賞している。




2014年7月1日火曜日

『マレフィセント』:Lana Del Reyと大竹しのぶで聴く『眠れる森の美女』の名曲「Once Upon a Dream~いつか夢で~」

最近映画『マレフィセント』のCMをテレビで見て、バックで流れている「Once Upon a Dream」の歌声がLana Del Reyっぽいなと思っていたらそうだった。





チャイコフスキーのバレエ版『眠れる森の美女』の中の「Grande valse villageoise」(The Garland Waltz)を元にして、Sammy Fainによってコンポーズされたのがディズニーの『眠れる森の美女』の「Once Upon a Dream」。

Lana Del Rey版はアニメ映画『眠れる森の美女』のプリークエル/前編に当たるアンジェリーナ・ジョリー主演、(ダコタ・ファニングの妹の)エル・ファニング共演、そして王様役はニール・ブロムカンプ監督作品で知られるシャールト・コプリー!の実写映画『マレフィセント』のために作られたもの。映画もディズニーのアニメとは違い(『マレフィセント』もディズニーだが)ダークなものなため、この曲もかなりダークなアレンジ。

ちなみにこのDel Rey版はUS Bubbling Under Hot 100 Singlesチャートで5位を記録している。


最初から最後まで聴くとこんな感じ。





やっぱりテレビ特報CM(上に置いた予告編ではない)で使われた部分の切り取り方は絶妙だったな。この曲は先日買ったUltraviolence』Deluxe Editionにも含まれておらず、(少なくとも現時点では)聴きたい方は『マレフィセント』のサントラを買う必要がある。


大竹しのぶが歌う日本語吹替版の主題歌「ONCE UPON A DREAM~いつか夢で~」も、Del Rey版の持つ艶めかしさは無いが、逆にその色気がない分この映画版の「Once Upon a Dream」の目指したダークな「子守唄」の感じはより出ていていい感じだ。




このiTunesで販売されている日本版は、Lana Del Rey版も大竹しのぶ版も入っている。




Amazonで販売されているこっちはよりダークなカバーアートの輸入盤。勿論輸入盤なので大竹しのぶ版は入っていないが、Lana Del Rey版は当然入っている。




(これを書いている時点ではカバーアートが見れないが、)こちらの日本版はiTunes日本版と同じくLana Del Rey版も大竹しのぶ版も入っている。

2014年6月24日火曜日

Lana Del Rey(アメリカ)『Ultraviolence』 Deluxe Edition 前作とは少し違う、より大人びた世界観




けだるい歌い方を含めて、個人的にも思い出深い前作『Born To Die』から引き継がれたLana Del Reyっぽさは確かにそこにあるのだが、それと同時に『Born To Die』の時に存在した要素が無くなっているのも事実。前の感じを期待すると「あれ?」と思う方は多いだろうが、より大人っぽく落ち着いた味わいもあるアルバムとなっている。

アルバムトレーラーがかっこいいのでどうぞ。





前作の雰囲気に一番近いのはアルバムからのリードシングルともなっている「West Coast」か。





「Shades of Cool」は、もっとよくこのアルバム全体に漂う雰囲気に近いか。






アルバム中私が一番好きなのは「Pretty When You Cry」かもしれない。





好きなアメリカのバンドで8mmというのがあるのだけれども、そういう感じで好きかも。





逆に言えば『Born To Die』に存在したよりモダンなスパイスが存在しないがために、「なんかこういう感じの曲歌ってるインディーの人けっこういるよね」とも思えなくもない。ただ「こういう感じの曲」が好きな人には見逃せないアルバムだろう。


『Ultraviolence』収録曲の「Old Money」は、1968年の映画『ロミオとジュリエット』(オリビア・ハッセーが出てるやつ)のテーマソングとしても有名で、主題歌「What Is a Youth」(劇中ではGlen Westonが歌う)や、Andy Williams(アメリカ)「A Time for Us」としても有名な曲に似ている。この映画により、作曲のNino Rota(イタリア)はゴールデングローブ賞作曲賞を受賞している。











アルバム発売前からLana Del Reyが「アルバムには「Black Beauty」という曲が入る」と話していたその「Black Beauty」という曲はDeluxe Editionのボーナス曲扱いとなっている。




今から前作『Born To Die』を購入される方は、「Blue Velvet」のカバーも収録されている『Born To Die - Paradise Edition』をどうぞ。

また、Del Reyの「National Anthem」、「Ride」などのミュージックビデオを監督しているAnthony Mandler監督が監督した、Lana Del Rey脚本/主演/音楽担当の27分の短編映画『Tropico』には『Paradise』からの3曲が劇中に使用されている。一応YouTubeの公式チャンネルに本編が上がっているようではあるが、日本からは見ることができない。一応予告編は見れるのでどうぞ。










またAnthony Mandler監督は、読売新聞初の外国人記者となったJake Adelstein / ジェイク・エーデルスタイン(暴力団絡みで脅迫を受け退社し警察の保護下にあるそうだ)の回顧録『Tokyo Vice』の映画版を監督するようだ。

2014年6月7日土曜日

国際色豊かなメンバーによるエレクトロ・ロックバンド FABL(デンマーク)

今回紹介するFABLはデンマーク第2の都市であるオーフス生まれのバンド。FABLは英語でいうところのFable、寓話という意味(バンド名がそこから来ているかどうかはしらないけど)。

ボーカルのスリランカ系デンマーク人のJonas Kristensen、シンセ担当のデンマーク人Jeppe Schmidt、そしてドラム担当で、15歳になるまで金沢に住んでいたという日本とデンマークのハーフのAki Shiraishi Bech。この国際色豊かなバックグラウンドを持つ3人によるバンドだ。

メンバーたちそれぞれの音楽的背景/インスピレーションも幅広く、Jonasは黒人音楽・エレクトロニカ・サイケデリック、Jeppeはエレクトロニカ・ポップ・ダンス、Akiはロック・エレクトロニカ・メタル、と様々。そのためAkiによれば、「曲作りはかなり大変」だそうだが、「そのおかげでバンドの『ジャンル』ではなく『スタイル』として、新しいものを作っている」という思いがあるそうだ。ただ、3人とも共通してエレクトロニカを挙げているので、それが求心力となっているのは間違いないようで、「エレクトロニカとポップ・ロックを織り交ぜた新しい音楽を目指している」とのこと。

そんな彼らが今5月にリリースした「As the fame calls」は、デンマークエレクトロシーンの重鎮VETO*のフロントマンTroels Abrahamsenがプロデュースしているそうだ。早速そのミュージックビデオを見てみよう。
*VETOの曲「You Are A Knife」はアメリカのテレビ番組『NCIS 〜ネイビー犯罪捜査班』シーズン4内のエピソードで使用されていたりもする。




(この曲が気に入った方は、もしかしたらManboy(フィンランド)の「How it Hurts」とかも好きかもしれない。)


「As the fame calls」はiTunesからも視聴購入可能。




Akiがデンマークに引っ越したのは7年前。音楽や音響に興味があった彼は、音楽学校Den Rytmiske højskoleで音響を専攻。そこでJeppeと出会う。JeppとJonasの二人は、音楽が盛んなスキーヴェという街で育っており、Aki曰く「音楽的センスがよく、音楽に対してアブノーマルで挑戦的」だったそう。そんな彼らに共感を覚えたAkiは、Jeppeが元々始めようとしていたバンドプロジェクトであるFABLにドラマーとして入らないかと尋ねられた時に「NOとは言えなかった」そう。Jonasの「太く特徴的なボーカルに今でも惚れている」とも語っている。

昨年2013年にリリースしたEP『Libra』から、FABLメンバーたちの姿も見ることのできる「Confused」のミュージックビデオも見てみよう。





EP『Libra』の楽曲もiTunesで視聴購入できる。




FABLの全アートワークとバンドロゴに見て取れる「鳥」は、バンド結成時に作った曲に由来するものだそう。彼らがライブで使用しているマスクやミュージックビデオにも出てくるマスクにも使われている。

こちらはEP『Strange Voids』から、鳥マスクに追い掛け回される「Hypocrite」のミュージックビデオ。





EP『Strange Voids』もiTunesで販売されている。




もうひとつ、『Strange Voids』からのシングル「Maybe We All」もどうぞ。





彼らの楽曲は、FABLのSoundCloudページからも聞くことができる。FacebookまたiTunesではEPの他にシングルも販売しているので、気になる方は試聴購入あれ。


Maybe We All - Single


Act - Single




最後にFABLメンバーの皆さんから当ブログ読者の皆様へメッセージを頂いたのでお読みください。


FABLは三人それぞれの異なった音楽的、文化的背景を生かし今のエレクトロニクス・ポップ・ロックに新しい対して新しいアプローチをする事を目指すバンドです。ぜひFABLの音楽を聴いて、その新鮮さとバンドとしてのエネルギーを感じてもらえる事を願っています。バンド自身、最高のライブバンドと自負しているので、いつか日本で僕らの音楽を聴いてくださる皆さんにライブでお会いできるよう日本での口コミやサポートをして頂けると幸いです。

-- FABL, Jonas Kristensen, Jeppe Schmidt Nielsen, Aki Shiraishi Bech


またAkiは「ステージ演出と、ステージ上のエネルギーは一回体験すると忘れられない物だと思います」とも語っている。動画で見たってその体験を伝えることができないのは言わずもがなだが、彼らの力強いライブの様子も貼っておこう。曲は『Libra』収録の「An Artist」。





デンマークに行かれる方は彼らのライブ予定も要チェックだ(FABL公式サイトの「Concerts」にライブ予定が載っている他、Facebookページにも掲載されている)。今後の活躍は勿論のこと、来日してライブしてくれる日が来ることにも期待したい。

2014年6月2日月曜日

Robyn(スウェーデン)とRöyksopp(ノルウェー)のコラボミニアルバム『Do It Again』

「Röyksopp feat Robynとも、Robynプロデュースby Röyksoppとも違う、全く新しい『コラボレーション』」とか。今年2014年、このミニアルバムとともに「『Do It Again』ツアー」をするスウェーデンのRobynと、ノルウェーのRöyksopp。どちらも私のお気に入りだ。彼らはRöyksoppのアルバム『Junior』でも「The Girl and the Robot」でコラボしており、当ブログでも取り上げたし、Robynの『Body Talk Pt.1』『Body Talk』に収録の「None of Dem」はRöyksoppをfeatしている曲だ。

Robynって誰だ?フィンランドの男性アーティスト?」なんて思った方は、それはロビン違いなので当ブログの「Robyn(スウェーデン)まとめ」や「最高にかっこいいRobyn(スウェーデン)「Call Your Girlfriend」」をお読みあれ。

見ていたら車酔いに似た気分になってきた「Sayit」はこちら:





上のYouTubeビデオのタイトルに「H&M Life」とあるのは、スウェーデンの低価格アパレルブランドH&Mのポップカルチャーとかそういうのの情報を載せているサイト「H&M Life」で特別先行公開されたから。日本の「H&M Life」でもちゃんと公開されている他、日本語でインタビューも読めるので、そちらもどうぞ。

アルバムタイトルともなっている「Do It Again」のBBC Radio1で放送されたバージョンが、Do It Again公式サイトからリンクされていたのでそれもこちらに貼っておこう:




ミニアルバム『Do It Again』は、5曲収録している。ツアーはスペインから始まり、あとは北米と他のヨーロッパ地域となっている。すでにUK Indieアルバム・チャートとノルウェーのアルバム・チャートでは3位を記録しているようだ。





日本では、デジタルダウンロード版は5月26日発売だが、Amazon.co.jpでは、カバーも価格も発売日も違う2枚の輸入盤CDが掲載されており、どちらも6月に入ってからの発売となっている。

こっちは6月10日発売となっているもの:




こっちは6月24日発売になっている:

2014年2月13日木曜日

「オリンピックはゲイっぽい。」カナダからロシアへ、皮肉を込めたボブスレー動画にThe Human League(イングランド)

アンチ・ゲイとも形容される同性愛に対する厳しい姿勢で知られるロシアで始まったソチオリンピック。そんな中でCanadian Institute of Diversity and Inclusion(仮訳:カナダ多様性と包括協会)の公開した、ボブスレー二人乗りをとても同性愛的に描いた動画が話題を呼んでいるようだ。



「The games have always been a little gay」、オリンピックは常にちょっとゲイだった、「Let's fight to keep them that way.」これからもそうあるよう戦おう、といった感じだろうか。

使用されている曲はイギリスのバンド、The Human League / ヒューマン・リーグ(イングランド)の1981年のヒット曲で、アルバム『Dare』収録の「Don't You Want Me」。




この曲はカナダ、アイルランド、ニュージーランド、ノルウェー、UKシングル、USビルボードなどで1位を記録。




Canadian Institute of Diversity and Inclusionについてもうちょっとだけ知りたい方は、たった今作ってみたブログ「海外ネタごった煮!」の投稿『「オリンピックはゲイっぽい。」カナダからロシアへ、皮肉を込めたボブスレー動画が話題に。』をどうぞ。当ブログが音楽メインのブログ、あとガジェット系のブログフィンランド系ブログ、そして新たに作った「海外ネタごった煮!」はこれらに当てはまらないネタを主に載せていくつもりだ。


Canada Fires Back At Russia’s Ban On Gay Propaganda With Hilarious Homoerotic Commercial [via Next Impulse Sports]